お米がインクやプラスチックに?

2026年05月25日

お米がインクやプラスチックに?注目される“脱石油”技術とは

 

近年、世界情勢の影響によって石油価格の高騰や供給不安が続いています。
特に、プラスチックやインクの原料となる「ナフサ」は、多くの製品づくりに欠かせない存在です。

そのような中、今注目されているのが「お米」を活用した新しい技術です。

「お米」と聞くと食べ物をイメージする方が多いかもしれません。しかし現在では、食用だけでなく、インクやプラスチックなど工業分野への活用も進んでいます。

今回は、テレビ番組でも紹介された“お米を活用した脱石油技術”について、わかりやすくご紹介します。

 

米ぬかから作られる「印刷用インク」

和歌山県の企業「築野グループ」では、精米時に出る「米ぬか」を活用したインク原料の開発が進められています。

玄米を精米すると発生する米ぬかには、約20%の油分が含まれており、通常は米油として利用されます。

さらに注目されているのが、その精製過程で出る“食用にならない成分”です。

以前は工業用潤滑油などとして使われていましたが、現在では印刷用インクの原料となる樹脂へと加工されています。

この技術によって、従来インク製造に必要だったナフサ(石油由来原料)の使用量を約50%削減できるようになりました。

 

実は身近な場所でも使われている

「米ぬかインク」は、まだ一部の特別な製品だけに使われているわけではありません。

例えば、

・コンビニのおにぎりパッケージ

・ボトルラベル

・各種印刷物

など、私たちの生活に身近な製品にもすでに活用されています。

普段何気なく手に取っている商品にも、環境配慮型素材が少しずつ広がっているのです。

 

お米から作られる「バイオマスプラスチック

福島県の企業「ライスレジン」では、お米を原料にした「バイオマスプラスチック」の製造が行われています。

製造方法は、お米とプラスチック樹脂を混ぜ合わせて加工する仕組みです。

番組では、その様子を“炊き込みご飯”のようだと表現していました。

製品によっては、

・お米7割・樹脂3割

という高い割合でお米が使われています。

これにより、石油由来原料への依存を大きく減らすことが可能になります。

 

スプーンやおもちゃ、ゴミ袋にも活用

お米由来のバイオマスプラスチックは、さまざまな製品に加工されています。

例えば、

・スプーン

・おもちゃ

・ゴミ袋

などがあります。

特にゴミ袋は、石油価格の影響を受けやすい製品のひとつです。

国産米を活用することで、海外資源価格の変動リスクを抑える効果も期待されています。

 

使用されるのは「食べられないお米」

こうした技術で使われるお米は、主に、

・古くなった備蓄米

・規格外の小さな米

・非食用米

などです。

つまり、食品ロス削減や未利用資源の活用にもつながっています。

さらに、国産資源を活用することで、地域農業や雇用の活性化にも期待が寄せられています。

 

お米が支える“脱石油社会”への可能性

これまで石油に大きく依存していたインクやプラスチック製品ですが、今後は「お米」がその代替資源のひとつになる可能性があります。

もちろん、すべてをすぐに置き換えることは簡単ではありません。

しかし、

・環境負荷の軽減

・資源価格高騰への対策

・国産資源の有効活用

・地域経済への貢献

といった面からも、大きな可能性を持つ技術として注目されています。

 

まとめ

お米は「食べるもの」というイメージが強いですが、現在ではインクやプラスチックなど、さまざまな分野で活用が進んでいます。

特に、石油依存を減らす新たな素材として期待されており、すでに私たちの身近な製品にも利用されています。

今後さらに技術開発が進めば、環境に配慮した製品選びが、より身近なものになっていくかもしれません。