相続不動産は3年以内に売却すべき?

2025年12月03日

相続した不動産の売却は3年以内にした方が良い?その疑問について解説します!

 

「相続した不動産は3年以内に売却したほうがいい」と耳にする方は多いでしょう。
しかし実際には「なぜ3年以内が良いのか」「売却を急ぐべきなのか」と疑問を持たれる方も少なくありません。

結論からお伝えすると、相続した不動産を売却する際には 税制上の特例や諸費用の仕組み を理解しておくことが非常に重要です。
特に「取得費加算の特例」や「10年超所有軽減税率の特例」といった制度は、売却のタイミングを決める上で大きな判断材料になるでしょう。

ここでは、不動産を相続した方が押さえておきたい制度や費用について分かりやすく解説します。

□ 取得費加算の特例とは

相続不動産の売却額は、売却のタイミングや条件によって大きく変わります。
その中でも注目すべきが 取得費加算の特例 です。

これは、被相続人が亡くなった日から 3年10ヶ月以内 に売却した場合に利用できる制度で、課税対象となる所得を減らす効果があります。
通常、不動産の売却益(譲渡所得)は「売却額-購入額」で算出されますが、取得費加算を利用することで 購入額に相続税を上乗せできる のです。
結果として、課税額が軽減されるケースが多いでしょう。

ただし、条件を満たさなければ適用は受けられません。
具体的には以下の2点が重要です。

・被相続人の死亡から3年10ヶ月以内に売却すること

・相続税を実際に納めていること

また、夫婦間での相続では適用されないことが多いため注意が必要です。

□ 不動産売却にかかる諸経費

「不動産を売却すればそのまま利益になる」と考える方もいらっしゃいますが、実際には売却にはさまざまな費用が発生します。

代表的なものは 不動産会社への仲介手数料 です。
相場は売却価格の約3%で、例えば1,000万円で売却すれば約30万円の仲介料がかかります。

さらに、住宅ローンが残っている場合は抵当権抹消手続きが必要で、その際に司法書士報酬が発生します。
また、古い建物を解体して更地で売却する場合には 解体費用 も必要です。

このように諸経費を差し引くと、手元に残る利益は想定よりも少なくなる可能性があります。
不動産を売却する際には、必ず「諸経費を考慮した実質的な利益」を試算することが大切です。

□ 10年超所有軽減税率の特例

もう一つ覚えておきたいのが 10年超所有軽減税率の特例 です。
これは、10年以上所有していた不動産を一定の条件下で売却した場合、譲渡所得税率が下がる制度です。

主な条件は次の通りです。

 1.居住用不動産であること

 2.住まなくなってから3年目の年末までに売却すること

 3.災害などで住めなくなった場合も同様に3年目の年末までに売却すること

さらに、家屋を取り壊した場合には「1年以内に売却すること」や「取り壊し後に賃貸利用しないこと」などの条件も追加されます。
また、売却相手が親子や夫婦といった近親者の場合には適用されない点にも注意が必要です。

□ まとめ

相続した不動産を売却する際には、売却のタイミングと税制の特例 を正しく理解することが欠かせません。
取得費加算の特例を利用する場合には3年10ヶ月以内の売却が条件となりますし、10年超所有軽減税率の特例も状況によっては有効に働きます。

「ただ売る」だけでなく、利用できる制度を上手に活用することで、税負担を抑えながら有利に売却できる可能性があります。
相続不動産の売却を検討されている方は、まずは専門家に相談し、自身のケースに最も合った方法を見極めることをおすすめします。